《最新調査結果》家を建てる人が親からの資金贈与について

2021年末に発表された「令和4年度(2022年度)税制改正大綱」では、住宅取得等資金贈与の非課税の特例措置が2年間延長されました

この住宅取得等資金贈与の非課税の特例、実際にはどの程度の人が、どのくらいの金額を活用しているのでしょうか?

そこで、今回は、不動産流通経営協会(FRK)が公表した2022年度の「不動産流通業に関する消費者動向調査」を基に、最新の資金贈与状況についてまとめました。

これから親世帯からの贈与を期待して住宅購入を検討する方には、参考になる記事かと思います。

住宅取得等資金贈与の非課税の特例措置とは

ここ最近、様々なモノの価格が上昇している、という記事を目にする機会が増えています。

実際、建築資材や原材料の価格上昇により、住宅価格は上昇しており、首都圏における新築戸建成約平均価格の推移は2020年の3500万円台から2022年には4200万円台と約20%も上昇しています。
※出典:東日本不動産流通機構「月例マーケットウォッチ」

住宅価格上昇の原因として、驚異的な円安に加え、世界的なインフレによる供給不安から、様々な建築資材価格が上昇していることが挙げられますが、首都圏における戸建住宅人気による底堅い需要があることも見逃せません。

首都圏では、勤務先に近く最寄駅から好アクセスなマンション人気が続き、新築マンションの平均価格は2012年の4500万円台から右肩上がりで上昇を続け、2021には6200万円超、とバブル期の最高値6123万円を上回る過去最高額となりました。

その後、コロナ禍で在宅勤務が日常化したことで、都心部から離れた郊外エリアの広くて快適な付き一戸建てが注目され、マンションと比べて値ごろ感が魅力的に感じられたことも、戸建住宅人気が続く原因だと考えられます。

そのような中で、親世帯から子世帯へ資金贈与を促して、若年層の住宅購入をサポートする制度が、住宅取得等資金贈与の非課税の特例措置です。

住宅取得等資金贈与の非課税の特例とは、「住宅の購入・新築・増改築等をするための資金を親や祖父母から贈与してもらう場合、一定の金額について贈与税が非課税になる制度」です。もともとの適用期限は2021年12月31日まででしたが、今回の改正で2年間延長され、2023年12月31日までになりました。

ただし、非課税枠は最大1,500万円から最大1,000万円(省エネ等住宅は1,000万円、それ以外の住宅は500万円)に縮小されています。

以前は住宅取得に係る契約の締結時期に応じて非課税枠が定められていましたが、今回の改正で契約締結時期については問われなくなりました。

住宅取得等資金贈与の非課税の特例措置の詳細はこちらに詳しくまとめられています。

《2022年改訂版》両親からの住宅資金援助を受ける際の注意点とは?

親からの贈与を受けた世帯の割合は14.2%

不動産流通経営協会(FRK)が公表した2022年度の「不動産流通業に関する消費者動向調査」とは、FRKの会員会社の協力により、首都圏1都3県で2021年4月から2022年3月までに住宅を取得した人を対象にWEBアンケートを実施(有効回答1311件)したもので、新築住宅購入者は267件、中古住宅購入者は1044件でした。

調査結果によると、親からの贈与を受けた世帯の割合(受贈率)は住宅購入者全体の14.2%となっており、世帯主の年齢別にみると、30代の購入者で親から資金贈与を受けた割合が20%超でした。

また、贈与を受けた受贈者を対象にした「直径尊属の住宅取得等資金に係る贈与税の非課税制度」の利用状況は、全体の80.6%と、ほとんどの受贈者がこの制度を利用していることが分かりました。

世帯主の年齢別親からの受贈率および「親からの贈与」の受贈額(出典/不動産流通経営協会「2022年度不動産流通業に関する消費者動向調査」より転載)

贈与税の非課税制度の利用者は12.1%

調査結果によると、住宅購入者に占める「直径尊属の住宅取得等資金に係る贈与税の非課税制度」の利用者の割合は12.1%で、30~39歳が最も多く18.9%、と30代で住宅を購入する方の2割弱の世帯で、この制度を利用していることが分かりました。

親から住宅取得等資金に係る贈与税の非課税制度を利用したことにより、借入資金を少なくすることができた、と回答した方が63.3%と、2021年の46.2%と比べて17.1ポイント増加しました。

「直径尊属の住宅取得等資金に係る贈与税の非課税制度」利用状況(出典/不動産流通経営協会「2022年度不動産流通業に関する消費者動向調査」より転載)

親から贈与を受けた平均額は998.2万円

調査結果によると、「親からの贈与」を受けた人の平均金額は、新築購入者で998.2万円でした。

2021年の調査時には1036.7万円でしたので、若干下がってはいるものの、1000万円近い金額を親から贈与されて新築住宅を購入していることが分かります。

まとめ

住宅を購入する際、両親や祖父母から資金を援助してもらう際に、最大1,000万円まで非課税で贈与を受けられる「住宅取得資金贈与の特例」の期限が2023年末に迫っています。

この制度は、シニア層から若年層への資産移転と、若年層の住宅取得を後押しするための政策ですが、非課税限度額(非課税で贈与できる上限額)は年々縮小されています。つまり、両親や祖父母からの多額の資金援助が受けにくくなっているということです。

その理由は、資産を持つ親世帯が子世帯に資産を非課税で移転することで、そうでない世帯との「格差が固定化」されることを防ぐ観点からです。

住宅購入にともなう親世帯から子世帯への資金援助は、今後、税制面で大きく見直される可能性が高く、現行制度の期限である2023年末以降は、制度が存続されるか分かりません。

両親や祖父母から住宅購入資金を贈与してもらえる可能性のある方は、非課税で贈与を受けられる最後のチャンスになるかもしれません。

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