なぜ平屋が人気なのか?その理由を解説します!
いま、平屋住宅が人気を集めていることをご存知でしょうか。
国土交通省の建築着工統計調査によると、平屋の建築着工棟数は年々増加しており、2021年には約55,000棟の平屋が建設されています。2011年は平屋の着工棟数は約28,000棟でしたので、2021年までの10年で約2倍の着工棟数となったわけです。また、新築戸建て全体に占める平家建築の割合は、2019年に初めて10%を超えました。
なぜ平屋の建築は年々増加しているのでしょうか。その疑問に答えるべく、本記事では平屋がなぜ人気なのか、その理由を解説します。
平屋が増えてきている理由
平屋が増えてきている理由は、少子高齢化と若い世代のコンパクトな住宅を希望する意識の向上が大きく影響しています。
昔は大家族で1つ屋根の下、というような生活が一般的でしたが、高度成長期以降、核家族化が進み、現在では高齢になっても夫婦二人で生活するということは珍しくありません。そのため、大きな家を建築する必要がなく高齢の方が平屋を選択するケースが増えています。
また、若い世代の方は物を極力少なくし、シンプルな生活を希望するケースが増えてきており、若い方も平屋の着工戸数を増やしています。
平屋に住むことにはメリットが多い
平屋は家をコンパクトにして生活を快適にするだけではなく、その他にも平屋に住むメリットは多く存在します。平屋に住むメリットは、次のとおりです。
- 2階などへの階段がないため移動が楽になる
- 自由な間取りなどデザイン性が高い家を建築できる
- 階段設置によるデッドスペースがなくなる
- メンテナンスが楽にできる
- 豪雪地帯だと雪下ろしが楽になる
- 地震や台風による被害が少なくなる
平屋に住むことのメリットは多くありますが、老齢の方にとっては建物内移動が楽になるということが大きいのではないでしょうか。階段は一歩間違えると大けがの元となってしまいます。
若い方にとっては、自由な間取りなどデザイン性が高いことが平屋の魅力となります。平屋に中二階を設けたり、室内空間を広く取ったりすることができ、シンプルでカッコイイという家を建築することが可能です。
また、建物の高さが低いため、屋根に上りやすくメンテナンスが容易になったり、雪下ろしが楽になったりします。また、2階建てより揺れにくくなるため、地震や風害にも強い家になります。
平屋に住むことにはデメリットもある
平屋に住むことによるメリットが多くある反面、平屋に住むデメリットもあります。平屋に住むデメリットは、次のとおりです。
- 日当たりが隣地に左右されやすい
- 大きな敷地面積が必要
- 洪水などの浸水被害に弱い
- 断熱性能が低いと夏は暑く冬は寒くなりやすい
- 建築コストが上がるケースが多い
平屋のデメリットは、建物が1階にしかないことから発生するものが多くあります。南側隣地に2階建ての家が近くに建築されるだけで日当たりがなくなる可能性があり、洪水などが起きた場合に2階へ避難することができないため、床上浸水した時点で建物すべてが浸水することになってしまいます。
また、建築コストが上昇するのも注意したい点です。延べ面積が同じ2階建てと1階建ての家を建築する場合、どうしても柱本数、基礎の大きさ、屋根の大きさが1階建ての方が大きくなってしまいます。そのため、2階建ての建築コストより平屋の建築コストの方が大きくなる場合があります。
屋根が大きいと外の熱の受け方や寒気の受け方も大きくなるため、断熱性能をより上げないといけないこともあります。当然、断熱性能を上げると建築コストも上がります。
今後も平屋が増えていくのか
平屋の着工戸数が年々伸びていることは前述しましたが、今後の平屋着工戸数は増加してしていくものと考えられています。その理由は、次のとおりです。
- 少子高齢化はより加速していく
- 2階建てとほとんど価格が変わらない平屋も多く登場してきている
- リモートの発達により土地が広い郊外にも住みやすくなってきている
未来のことは予測しづらい面がありますが、平屋が増加する要因が揃っています。
郊外でゆとりある敷地に平屋を建築すれば日当たり不安の心配が減る、浸水被害対策として高台の土地を選んで建築したり基礎を上げて建築するなどをおこなうなど、平屋のデメリットは解消されやすいことも着工増加する要因です。
まとめ
若い世代にも高齢世代にも平屋人気が増加していることにともなって、平屋の着工戸数も年々増加しています。今後も平屋着工数は増加していくと考えられています。
しかし、平屋に住むことにはデメリットもあったり、2階建ての家を建築するほうが良い土地があったりします。自分に合った家はどのような家なのか、家を建築する土地はどのような建物を建築するのに向いているのかなどを考えておくことが重要です。
家の建築は一生に何度もあることではありません。そのため、自分たちに合った家はどのような家なのかを、何度も何度も検討することにより、満足度の高い家づくりが実現できるのではないでしょうか。