実用的なランドリールームのつくり方
洗濯は、ほぼ毎日する家事の一つ。仕事や家事で忙しいうえに雨の日が続くと憂鬱ですよね。そんな時、力強い味方になってくれるのがランドリールーム。でも、せっかくのランドリールームが使いにくい場所になっては意味がありません。そこで、実用的なランドリールームをつくるためのポイントをお伝えしたいと思います。
ランドリールームとは
衣類を洗う、干す、畳む、アイロンをかけるなど、洗濯にかかわる一連の作業を行うためのスペースです。洗濯だけでなく、家事全般を行うユーティリティの役割を持たせるケースもあります。
ランドリールームをつくるメリット
・時間や天気を気にせずいつでも干せる
・花粉やPM2.5、排気ガスなど有害物質の付着を防げる
・洗濯物をリビングなどに干さなくて済むためすっきりと暮らせ、不意な来客にも慌てず済む
・LD空間などに乾いた洗濯物が散乱することを防げる
ランドリールームをつくるときのポイント・注意点
大切なのは「家の中での配置」と「通風」。
生活動線を考えつつ、なるべく風通しのいい空間になるようプランしましょう。
1家事動線を意識
洗い終えた衣類は、当然ながら水を含んで重たくなっています。例えば、家族4人の場合、洗濯物の量は約6キロにもなりますし、重い洗濯物を持って、物干し場まで、移動するのは、体力的にも大変です。
干す場所は洗濯機から近ければ近いほど良いため、ランドリールームと隣接した所につくりましょう。
しかし、間取り上ランドリールームと物干し場を近づけることがどうしても難しいケースもあります。
そのような場合には、あらかじめ室内干しの設備をつけることをおすすめします。
また、キッチンとの位置関係も考えることがベター。洗濯の合間に食事の準備が進められます。
このように無駄な動きをせず、スムーズに家事をこなすためには家事動線を意識した配置が重要です。
出入口は引き戸がおすすめ。開けたままにすると、風を通しやすく、洗濯バスケットを持ったままの出入りもラクです。
2風通しの良い場所に
ランドリールームでは「日当たり」を優先しがちですが、実は「風通し」が重要なポイント。
窓・換気扇をきちんと計画しないと、なかなか乾かず、生乾きになることも考えられます。
窓は2か所以上設けるといいでしょう。窓そのものの大きさよりも、風が抜ける配置にすることが大切です。
また、できれば、日当たりのいい場所にレイアウト。しかしながら、日当たりのいい場所は、リビングなど暮らしの頻度が高い場所を優先したいもの。そのバランスをしっかりと考えましょう。
生乾きのニオイを抑えるコツは「5時間以内」に乾かすこと。※1
梅雨など湿度が高い季節のために扇風機や衣類乾燥除湿機、エアコンなどを検討するのも◎
※1出典:松永聡:日常生活における洗濯衣料の部屋干し臭とその抑制,におい・かおり環境学会誌,36巻2号,(2005)
3ファミリークローゼットを設ける
洗濯は「洗って、干す」よりも「畳んで、収納する」方が意外と面倒。あとで畳もうと思って、ソファーや床に放置してしまうこともあるでしょう。ファミリークローゼットを設けることで、収納までを一か所で終わらせることができ、洗濯物の散乱を防げます。ただし、湿気には注意が必要です。
ランドリールームには、湿度を調節する壁材や床材には、水に強くて掃除しやすく、立ち仕事をしても足腰が疲れない樹脂のフロアタイルなどがおすすめ。収納には、通気性がいい引き出し可能なバスケットのようなものが◎
4どれくらいの広さが必要?
明確な基準はなく、家事動線を意識し、「広すぎず狭すぎず」がベスト。2~3畳を目安に。
2畳の広さがあれば、物干し竿を2本設けることができ、それだけあれば、家族4人分の洗濯物を充分干すことができます。独立した部屋として設けることが難しい場合は、2畳の洗面所を1畳広くすることで、実質3畳のランドリールームを設けることができます。また、物干しを昇降式にし、タテの空間を有効活用することで、物干しの下に作業台を設け、洗濯物を畳んだり、アイロンがけをしたりと効率的な家事動線が生まれます。
まとめ
実用的なランドリールームをつくるには、まず、ご家族のライフスタイルを把握し、整理することが大切です。
ただ、他部屋とのバランスを考慮しながら、動線や日当たり・風通しなどを考えるのはなかなか難しいもの。
一度、設計力・提案力のある建築会社へ相談してみてはいかがでしょうか。
ご家族にとって、より快適で、気持ちよく暮らせる住まいをご提案いただけると思います。