平屋にインナーガレージ(ビルトインガレージ)をつけるなら?メリット・デメリット、間取り設計のポイントを徹底解説

インナーガレージには、車を雨風や飛来物などから守ることができるといったメリットがあり、車を大切に管理したいという多くの人から人気を集めています。間取りのポイントを押さえた上で、インナーガレージ付きの平屋を建てる際の注意点を知りたいというケースもあるのではないでしょうか。

本記事では、平屋にインナーガレージを設置したいという人に向けて、メリットやデメリット、間取り設計のポイントなどについて、実例を交えて解説します。

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平屋にインナーガレージを設置するメリット

インナーガレージとは、ガレージが住宅に組み込まれた構造のガレージのことです。

平屋にインナーガレージを設置することには、さまざまなメリットがあります。

  • 車が雨風にあたることを防げる
  • シャッターの設置で車を盗難やいたずらから防げる
  • 固定資産税が安くなる可能性がある
  • 趣味や収納スペースとしての活用でライフスタイルの幅が広がる
  • 居住スペースから車への動線をつくりやすい
  • 住宅の外観をすっきりとまとめやすい

メリットを享受して豊かな暮らしを叶えるために、紹介するメリットについて理解を深めましょう。

車が雨風にあたることを防げる

周囲を壁に囲まれたインナーガレージを設置することで、車やその他収納物を雨風から防ぐことができ、汚れにくくなるメリットがあります。同時に、飛来物にあたる心配や、紫外線により車の塗装が傷むリスクも軽減されます

さらに、雨風などの気象条件に左右されず、車をメンテナンスすることができる点も魅力です。

シャッターの設置で車を盗難やいたずらから防げる

インナーガレージにシャッターを取り付けることで、防犯性を高めることが可能です。シャッターを閉めることで所有車種を認知されにくくなり、さらに盗難やいたずらなどのリスクを軽減することが可能です。

令和7年3月に公表された警察庁の調査によると、自動車の盗難における認知件数は、平成15年のピーク時(6万4,223件)と比較して、令和6年では6,080件と1割以下に減少しています。しかし、検挙率に関しては、令和6年では44.1%と、約4割が検挙されているという結果が出ていることに留意が必要です。

固定資産税が安くなる可能性がある

1階だけで構成される平屋の場合、2階建ての住宅より基礎部分が多くなる傾向があり、固定資産税が高くなる可能性があります。しかし、インナーガレージの床面積が家全体の延床面積の5分の1以下の場合、固定資産税の計算に入れません。そのため、インナーガレージの面積によっては、固定資産税が安くなる可能性があります。

趣味や収納スペースとしての活用でライフスタイルの幅が広がる

インナーガレージは、車庫としてだけでなく、趣味や収納スペースとして活用することもできます。シャッターを閉めれば、アウトドア用品の物置きやDIYのスペース、家族やペットの遊び場としても活用することが可能です。

多様な活用方法の中から自身に最適な間取り設計を検討することで、自身やご家族のライフスタイルの幅を広げることができます。

居住スペースから車への動線をつくりやすい

車を使用する際の外出動線をつくりやすい点も、メリットに挙げられます。例えば、室内からガレージを結ぶ出入り口を設置することで、車への移動がスムーズになり、雨風にあたらずに車の乗り降りをすることが可能です。

特に、平屋は、ガレージへつながる複数の動線をつくりやすいとも言われています。インナーガレージの間取りを検討する際は、車への動線を考慮することが大切です。

住宅の外観をすっきりとまとめやすい

駐車場にカーポートを設置する場合とは異なり、外観全体のデザインをすっきりとまとめることができます

平屋は、2階・3階建ての住宅と比べて、外観がシンプルになりやすいと言われています。しかし、平屋にインナーガレージを組み込むことで、ガレージの開口部やシャッターなどを外観デザインのアクセントとして活用することが可能です。

平屋でインナーガレージを設計する場合は、ガレージ部分も含めて住宅全体の外観デザインも考慮することをおすすめします。

平屋にインナーガレージを設置するデメリット

平屋のインナーガレージ付き住宅を建てる場合、デメリットや注意点についても把握しておくことが大切です。

  • エンジン音やシャッター音が気になる場合がある
  • 排気ガスやニオイが気になる
  • 収納や居住スペースが減る
  • 仕様によっては建築費用が上がる場合も

一つずつ詳しく解説します。

エンジン音やシャッター音が気になる場合がある

インナーガレージは、居室空間にガレージが組み込まれる構造であるため、車のエンジン音やシャッターの開閉音などが居住空間に響きやすくなります。ただし、平屋の場合、2階・3階建ての住宅のようにガレージの真上に居室を設定することがないため、比較的騒音による影響は低いと考えられるでしょう。

平屋にインナーガレージを設置する際、騒音による影響を軽減するためには、例えば、ガレージの近くに寝室を配置しないといった対策が効果的です。また、静音タイプのシャッターを設置することによっても、騒音の問題を軽減させることができます。

排気ガスやニオイが気になる

インナーガレージ付き住宅の構造上、外出動線を考慮してガレージに直結する出入り口を設置することで、車の排気ガスやニオイが居住空間に流れやすくなります。

排気ガスやニオイによる影響を軽減するためには、気密性の高いドアを採用することが有効といえます。また、ガレージ内に排気ガスが充満しないように、換気扇を設置するなど、換気システムを整えることも大切です。

収納や居住スペースが減る

2階・3階建てインナーガレージ付き住宅の場合、敷地面積が限られていてもガレージの上に居室を配置することで、必要な部屋数や収納スペースを確保することが可能です。他方、平屋の場合、インナーガレージを設置することで居住空間や収納スペースが減る可能性があります。

また、敷地面積や延床面積が限られるケースもあり、ガレージを設置することで間取りに圧迫感が出てしまう場合もあるようです。収納スペースや趣味部屋など多様な使い方が期待されるインナーガレージを効果的に活用するためには、部屋数や収納量を考えて慎重に間取り設計する必要があります。

仕様によっては建築費用が上がる場合も

ガレージの広さや設備、仕様などによって、平屋の建築費用が高くなる可能性があります。例えば、静粛性の高い電動シャッターを採用することで費用は高くなります。また、壁や床材の仕上げにこだわることでも、費用が高くなるでしょう。

平屋のインナーガレージ付き住宅を建てる場合は、必要な設備と予算との兼ね合いを考慮することが重要です。インナーガレージ付き住宅の建築費用は、決して安くありません。複数の業者から相見積もりを取得して、適正相場を把握した上で間取り設計を進めていくことをおすすめします。

平屋のインナーガレージを建てる際の間取りのポイント

インナーガレージは、ガレージを駐車スペースとしてだけでなく、趣味部屋や書斎などとして幅広く活用したいという人から多くの支持を得ています。

効果的に設置するためには、家族構成やライフスタイルなどさまざまな要素を考慮して間取りを考える必要があります。

ここでは、押さえておきたい間取りのポイントを紹介します。

インナーガレージの用途を考える

インナーガレージを設計する際は、まず、ガレージの用途を明確にしておくことが大切です。

例えば、ガレージ内で車のメンテナンスをする場合は、最低限必要な駐車スペースの他に、洗車や作業スペース、収納も確保しなければなりません。また、趣味部屋や書斎として活用する場合は、デスクや椅子などを置くスペースが必要です。

ただし、単にスペースを確保すれば良いわけではありません。用途に応じて、慎重にシミュレーションをした上で、ガレージ内の動線も考慮することをおすすめします

駐車場に必要な面積を把握しておく

ガレージの広さを検討する際、駐車に必要な最低限の面積を把握した上で、将来のライフスタイルの変化も考慮して広めのスペースを確保することが大切です。

<駐車に必要なスペースの目安※>
普通乗用車:約4.5坪(幅2.5m×奥行6m)
軽自動車:約3.5坪(幅2.3m×奥行5.0m)
車1台+収納:5~5.5坪(幅3.0m×奥行5.5~6.0m)
車2台:約10坪(幅5.5~6.5m×奥行6m)
※有効寸法

上記のスペースはあくまで目安であり、車種によって大きさは異なります。また、将来的に車を買い替えたり、台数が増えたりする可能性もあるでしょう。

例えば、家族が増えれば、今より大きなサイズの車に買い替える必要が出てきます。また、介護が必要であれば、車椅子を置けるスペースが必要です。長期的な視点に立ち、広さに余裕を持たせておくと安心できます。

車の出入りに関するポイントをチェックしておく

前面道路との位置関係など、車が出入りするポイントに関しても、確認しておくことが重要です。前面道路や敷地の状況をきちんと調査できていないと車の出し入れがしにくくなる可能性もあります。

ただし、前面道路との位置関係や敷地の状況を知るには、専門的な知識が必要です。土地を選ぶ段階から、業者の専門的な知見を参考にしながら、検討することをおすすめします

生活動線を考慮する

ガレージ内の動線だけでなく、車と居室との間の移動をスムーズにするために、生活導線を考慮する必要があります。

通勤や買い物、お子様の送迎など、車を使用するシーンはさまざまです。想定されるシーンを一つずつシミュレーションして、効率的に移動できる動線を考えましょう。例えば、車を使用して食料品の買い物に行くことが多い場合は、車から荷物を持って移動する負担を考慮して、キッチンをガレージの近くに配置すると効率的です。

その他、玄関をガレージ近くに配置して、ガレージ内のドアが玄関につながっている間取りにすることで、靴を脱ぐスペースを一か所に集約できる利点があります。

【30坪台】平屋のインナーガレージ間取り例

間取り設計のポイントを押さえたところで、自分のライフスタイルや家族構成などを踏まえ、より具体的な間取りを検討していく必要があります。

ここでは、標準的な平屋の広さである30坪台における、おすすめの間取り例を紹介します。ご自身のケースに置き換えて、理想の間取りを考えてみましょう。

【30坪】1台分の駐車スペースとゆとりのあるリビングを配置できる

30坪の広さの場合、駐車1台分のスペースに加えて、2~3LDKといった間取りが一般的です。例えば、駐車スペースが5~7坪とすると、居住スペースには23~25坪ほど確保することができます。広さにゆとりのあるリビングを配置することが可能です。

30坪の広さがあれば、ガレージから主寝室や居室を遠ざけることもできるため、騒音やニオイ対策を講じたいという場合でも安心です。

夫婦2人暮らし、あるいは、夫婦2人+お子様1人といった3人暮らしが一般的な間取り設計となります。

【35坪】2台分の駐車スペースを確保しながら家族4人でも暮らせる

35坪の場合、2台分の駐車スペースと3LDKといった間取りが一般的です。部屋数を増やして、主寝室+居室3つといった間取りを実現することもできるでしょう。主寝室や居室をガレージから離すことで、騒音やニオイ対策にもつながります。

35坪における平屋のインナーガレージの場合、夫婦2人+お子様2人の4人暮らしが多く見られます。

【実例紹介】愛車を身近に感じられる理想の平屋インナーガレージ

【物件データ】
敷地面積:374.32m2
延床面積:100.62m2

こちらは、東京都に建てられたインナーガレージ付きの2LDKの平屋の実例です。LDKや玄関ホールからは、常に愛車を眺めることができます。また、玄関ホールからガレージにアクセスすることができる動線も魅力です。

ガレージ内の照明をONにすることで、ショールームのような演出も楽しめます。愛車を常に感じられる、こだわりの詰まった暮らしを実現しました。

まとめ

本記事では、平屋のインナーガレージのメリットやデメリット、間取りのポイントなどについて、実例を交えて解説しました。車を雨風や飛来物から守り、盗難などの犯罪を防止するといったメリットがある一方で、騒音や排気ガスなどの影響を受けやすいといったデメリットもあります。注意すべきポイントを押さえて、自身のライフスタイルに合う間取りを検討しましょう。

平屋は2階・3階建ての場合と比べてガレージへの動線をつくりやすいという特徴があります。ワンフロアという特徴を活かして、動線を考慮した間取り設計を検討することが大切です。

トヨタホーム東京では、「品質」「快適」「デザイン」といった柱を基本として、家族の時間を尊重した居心地の良い豊かな暮らしをご提案しています。インナーガレージ付きの平屋を建てて、理想の暮らしを叶えたいという人は、トヨタホーム東京にお問い合わせ下さい。