インナーガレージ付き住宅の間取りポイントと建築実例を紹介

インナーガレージ付き住宅には、生活上の利便性を高められるなどのメリットがあります。

メリットを活かして快適な住環境を実現するためには、坪数に応じた間取り設計のポイントを押さえておくことが大切です。本記事では、坪数ごとのインナーガレージ付き住宅の間取り例や建築実例を紹介します。

トヨタホーム東京が提案する、愛車と暮らす特別な住まいのカタチ。魅力的な実例をこちらからご覧いただけます。

インナーガレージ付き住宅に関する基礎知識をチェック

インナーガレージ付き住宅とは、住宅の一部にガレージを組み込んだ形の住宅のことで、さまざまなメリットがあります。

【インナーガレージのメリット】

  • 狭小地でも土地を有効活用できる
  • 雨や雪にあたらず車と玄関を行き来できる
  • 防犯面に優れている
  • 趣味部屋・収納スペースとして活用できる

インナーガレージ付き住宅は、住宅と駐車場が一体化した構造が特徴で、限られた敷地でも駐車場を確保することが可能です。また、雨風他、気象条件に左右されずに車の乗り降りができる点もメリットといえます。

ガレージにシャッターを設置すれば、防犯面の効果も高まります。愛車をさまざまな外的リスクから守るためにも、インナーガレージの設置が効果的です。

さらに、インナーガレージを趣味部屋や収納スペースとして兼用することで、リビングや寝室などの他の居住空間の広さを確保することもできます。

このようなメリットを活かすためには、インナーガレージの特性をきちんと理解して、広さや予算、希望する住環境などに合わせて適切な間取りを検討することが重要です。

インナーガレージの間取り設計のポイント

理想のインナーガレージ付き住宅を実現するためには、以下のような間取り設計のポイントを押さえておく必要があります。

  • 車からの動線を意識する
  • 防音対策をする
  • ニオイ対策をする
  • 将来のライフスタイルや家族構成を見据える
  • 車1台分の駐車に必要なスペースを把握しておく
  • 居住部分の採光や風通しを考慮する
  • 収納スペースを確保する

一つずつ詳しく解説します。

車からの動線を意識する

住宅と駐車場が一体となることが特徴のインナーガレージ付き住宅では、居住空間と車との動線を意識することで、生活上の利便性を高められます

ガレージに出入口を設置し、主要な通路と車とのスムーズな動線を意識しましょう。その際は、車の向きや余裕を持って歩ける幅が確保されているかどうかも考慮することが大切です。

例えば、買い物帰りなどで重い荷物を運ぶ必要がある場合や、高齢者や小さなお子様がいる場合も、動線が確保されていることで安心して移動しやすくなります。

防音対策をする

ガレージと住居が一体化となることで、エンジンやシャッター音が居住空間に聞こえやすくなる場合があるため、防音対策についても考えておきましょう。

住居内については、可能ならば、ガレージ上に寝室や個室などを配置しないといった対策が効果的です。また、近隣への影響も含めて対策を講じる場合は、シャッターの選び方を考慮しましょう。静音性の高いものや風などの影響を受けにくいタイプのシャッターを選ぶことで、シャッター音の影響を軽減できます。

ニオイ対策をする

快適な住環境を実現するためには、ガレージからの排気ガスのニオイ対策が有用です。

建物と一体化したインナーガレージを設置することで、排気ガスなどのニオイが室内に流れやすくなる点に注意が必要です。

室内と車との動線を確保するために出入口を設置する場合は、気密性の高いドアを選ぶことでニオイが室内に流れ込むことを防ぐことができます。また、ガレージの間口と反対側に窓や換気扇を設置する対策も、効果的です。

将来のライフスタイルや家族構成を見据える

インナーガレージ付き住宅は、普段の生活の中で、愛車の存在がより身近に感じられるようになるなど、車との生活にこだわりを持つ多くの人に支持されています。長く豊かな生活を続けていくためには、今の生活だけを考えて間取り設計するのではなく、将来のライフスタイルや家族構成なども考慮することが重要です。

例えば、将来的に家族が増えれば、送迎のために車をもう1台増やしたり、より大きな車に買い替えたりする可能性もあるでしょう。そうしたライフステージの変化にも柔軟に対応できるように、長期的な視点を持って間取り設計することが大切です。

車1台分の駐車に必要なスペースを把握しておく

インナーガレージ付き住宅を建てる際、適切な間取りを設計するためには、あらかじめ、車1台を駐車するのに必要なスペースを把握しておき、ガレージ内の広さに余裕を持たせておくことが大切です。

【一般的な車の種類と広さ※の目安】
普通乗用車:約4.5坪(幅2.5×奥行6m)
軽自動車:約3.5坪(幅2.3m×奥行5m)
車1台+車椅子:約6.3坪以上(幅3.5m×奥行6m以上)
車2台を駐車する場合:約10坪(幅5.5m×奥行6m)
※有効寸法

ここで紹介した広さはあくまで目安です。車種や台数、収納スペースを置くかどうかなどによって、必要な面積が異なることに留意しておきましょう。

居住部分の採光や風通しを考慮する

インナーガレージを居住部分と隣接させると、居住部分の窓が減る場合があります。過ごしやすい住環境を構築するためには、採光や風通しを意識することが大切です。

この点、ガレージは1階部分を占めることになるため、必然的にリビングや寝室が2階以上になることが多く、そうした場合は採光や風通しを確保しやすいともいえます。また、吹き抜けや天窓を設置することでも採光を取り入れられるでしょう。

収納スペースを確保する

インナーガレージ付き住宅の間取りを考える際は、収納スペースの有無と、収納する物の量を事前に把握しておくことが重要です。

ガレージ内に収納スペースを設けることには、収納物が汚れにくくなり、管理しやすいという利点があります。収納物には、ゴルフやアウトドア用品などの他、冬用タイヤ、雪かき道具などのシーズン物があげられます。

【坪数別】インナーガレージのおすすめの間取り例

インナーガレージ付き住宅における間取り設計の選択肢は、坪数によって変わってきます。

ここでは、25坪30~35坪40坪50坪といった坪数別の間取り設計アイデアを紹介します。

25坪

25坪では、車1台分のスペースと2~3LDKといった複数の居室を組み合わせた2階建ての間取りが一般的です。具体的には、1階にインナーガレージ、浴室などの水回り、2階にリビングやキッチン、寝室を設けることで、採光を取り入れやすくなります。

なお、狭小地であれば、3階建てにして、1階にインナーガレージ、2階に水回りと居室、3階にリビングやキッチンを配置するといった間取りの工夫も考えられます。エレベーターを設置する場合は、エレベータースペースとして1畳ほどの面積を確保すると良いでしょう。

30~35坪

30~35坪の場合、車1台分のスペースと3~4LDKの2階建て、あるいは、3階建ての間取りが一般的です。2階建てを想定している場合、1階にインナーガレージと水回り、2階にLDKや寝室を配置することで採光を取り入れやすくなります。3階建てであれば、1階にガレージ、2階に水回りやLDK、3階に寝室といった間取りが考えられるでしょう。

また、30坪以上であれば、車を2台置くスペースを確保できる可能性もあります。その場合、車2台と3LDKといった間取りが一般的です。

ただし、平屋の場合は、容積率が低くなることから、車1台と2LDKとなることが多く、部屋数が少なくなります。平屋にするかどうかを判断する際は、家族構成を考慮して必要な部屋数を検討することが重要です。

40坪

坪数が多くなれば、その分インナーガレージの広さを確保しやすくなり、より多くの部屋数を配置できるようになります。40坪であれば、車1~2台と4~5LDKの2階建てといった間取りが多くなるでしょう

なお、3階建てにする場合は、階段やエレベーター、廊下などのスペースを確保することになるため、車1~2台と2~3LDKといった間取りが現実的です。その場合、最も採光を取り入れやすい3階にLDKを配置することで、明るさや、良い眺望を期待できます。

平屋の場合は、前述した容積率の関係から、車1~2台と3~4LDKといった間取りが目安となります。

50坪

50坪もの広さがあれば、スムーズな生活動線を確保した上で、より柔軟な間取り設計を実現することができます。具体的には、車1~2台分のスペースと4~6LDKの2階建て、あるいは3階建てといった間取りが可能です。

例えば、1階にインナーガレージと寝室、個室、2階にLDKや水回り、個室、3階に主寝室と個室を配置するといった間取りも考えられます。このケースでは、1階部分に寝室を配置することを想定しています。50坪もの広さがあれば、寝室をガレージから離して配置することができ、騒音の影響を軽減することが可能です。

また、50坪の場合、LDKの広さも20畳ほどの広さを確保できるケースが多く、解放感のある住環境を実現しやすくなります。

【実例7選】実際の間取り事例で学ぶインナーガレージ成功例

納得のいく形でインナーガレージ付き住宅を建てるためには、業者へ問い合わせる前に、間取りのイメージを具体的に持っておくことが大切です。

ここでは、トヨタホーム東京で理想のインナーガレージ付き住宅を実現した成功例を紹介します。

【32坪】タイル張りの上品な外観を実現

【基本情報】
所在地 東京都
敷地面積 113.70m²
延床面積 107.77m²
施主年代 30代
家族構成 夫婦+犬1匹

タイル張りの上品でスマートな外観を実現した、延床面積32坪のインナーガレージ付き住宅です。ガレージには車1台分のスペースを確保し、その上には、キャンプ好きのご夫婦がくつろげるバルコニーを配置。愛犬と共に食事やリラックスタイムを堪能できる、アウトドアリビングとして、家族団らんの場を築いています。

【40坪】シンプルながら2台分の駐車が可能なインナーガレージで愛車が際立つ

【基本情報】
所在地 埼玉県
敷地面積 167.38㎡
延床面積 132.70㎡
施主年代 30代
家族構成 ご夫婦

2台分の駐車スペースを確保した広々としたガレージと、シンプルな佇まいが特徴のインナーガレージ付き住宅です。オーバースライダー型シャッターを設置し、愛車を天候など外の条件から守ります。ガレージ側から玄関ホールへ直接アクセスすることができるといった、スムーズな生活動線が魅力です。愛車を眺められる間取り設計で、豊かなガレージライフを実現しました。

【50坪】シアタールームのある二世帯住宅を実現

【基本情報】
所在地 東京都
敷地面積 161.56㎡
延床面積 167.02㎡
施主年代 40代
家族構成 夫婦+母

シアタールームのある二世帯住宅を実現した、50坪のインナーガレージ付き住宅です。ファサード面のタイル外壁を2色に貼り分けた外観が特徴で、そのデザイン性の高さが魅力です。シアタールームには、音響を調整する天井板や壁材を使用し、高品質の音響空間で趣味に没頭することができます。

ガレージには、車1台+バイク2台分を置くことができます。生活動線を意識してガレージと室内の行き来をスムーズにし、玄関ホールから愛車を眺められる豊かな暮らしを実現しました。

【50坪】エントランスホールに設けたショーウィンドウから愛車を感じられる

【基本情報】
所在地 千葉県
敷地面積 205.11㎡
延床面積 168.05㎡
施主年代 30代
家族構成 夫婦+お子様2人

砂紋のような模様と複雑な色合いのタイル貼りで現代的な外観を実現した、インナーガレージ付き住宅です。ガレージには1台分の駐車スペースがあり、エントランスホールや書斎に設けたショーウィンドウからは、いつでも愛車を眺めることができます。

ご夫婦とお子様が暮らすこちらの住宅では、いつも家族の気配を感じられるように、2階に配置したLDKは畳コーナーや家事室などが緩やかにつながるように設計しました。

【62坪】間口6m。2台の愛車を並べるガレージ

【基本情報】
所在地 神奈川県
敷地面積 185.79㎡
延床面積 205.04㎡
施主年代 50代
家族構成 夫婦+お子様2人

こちらのインナーガレージ付き住宅は、間口6mの広々としたガレージが特徴です。車2台分のスペースがある他、タイヤなどの備品を保管できる収納を設置しました。玄関ホールや書斎から愛車を眺めることができ、生活の中で大切な車の存在を感じることができます。

1.9畳の玄関クローゼットには2方向に扉を設置するなど、生活上の利便性と豊かな暮らしを両立しています。

【72坪】三角形状の敷地に佇むインナーガレージ付事務所併用二世帯住宅

【基本情報】
所在地 埼玉県
敷地面積 224.51㎡
延床面積 239.41㎡
施主年代 50代
家族構成 母親+夫婦+猫

三角形状の敷地に佇む、72坪のインナーガレージ付き事務所併用二世帯住宅です。特殊な敷地形状に合わせて、斜めのカットウォールが印象的な外観に仕上げました。ガレージには、1台分を駐車することができます。

2階は回遊できる中庭から十分な採光を確保。光が注がれる空間で、外部を気にすることなくリラックスして過ごすことができます。

【81坪】愛車を眺めながら味わう、格別な一杯

【基本情報】
所在地 神奈川県
敷地面積 247.42m²
延床面積 269.91m²
施主年代 40代
家族構成 夫婦+お子様1人

最後に紹介するのは、自分だけの至福の時間を過ごすことができる趣味部屋としてのインナーガレージを設置した実例です。スロープを下った先にガレージが広がっており、中には思い入れのある愛車が並んでいます。ガレージの扉を開けるとベッドルームと一体となる間取り設計が特徴です。壁面収納の隣に備え付けられたバーカウンターで、趣味部屋の愛車を眺めながら味わう一杯は格別なものといえます。

インナーガレージ付き住宅の費用を考える際に押さえておきたい注意点

予算内で理想の住環境を実現するためには、地域サイズ使用する建材設備などの費用が変動する要素を把握して、妥協できる部分とそうでない部分を明確化して資金計画を立てることが大切です。また、複数の業者から相見積もりを取得して適正価格を把握することが欠かせません。

固定資産税についても考慮する必要があります。インナーガレージは、以下3つの要件を満たすことから、固定資産税が課税されることが特徴です。

  • 外気分断性:建物の外部と内部を区別できる構造
  • 用途性:車庫として利用されている
  • 定着性:地面に固定されている

しかし、容積率の緩和を受けることができ、延床面積に対して5分の1の広さであれば床面積に含まれません。敷地面積に対して広めのガレージを確保することができます。

固定資産税と建築コストとの関係や、費用について判断が難しい場合は、専門家に相談しましょう。

インナーガレージの間取り設計でよくある質問

ここでは、インナーガレージの間取り設計に関する質問と、その答えを紹介します。自身の生活を豊かにするための間取り設計のヒントとして活用して下さい。

インナーガレージにはどのような注意点があるの?

基本的に1階にインナーガレージを配置することになるため、1階にゆとりのある居住スペースを配置できないケースが多くなります。しかし、2階以上が居室スペースの中心となることには、採光や風通しが良くなるといったメリットがあります。

また、前述した通り、におい対策や防音対策が必要です。本記事で解説した内容を踏まえて、快適な住環境を実現しましょう。

インナーガレージの固定資産税はいくらくらいかかるの?

インナーガレージの設置により、固定資産税が上がるケースもあります。おおよその税額を算出できるようにしておくことで、より正確な予算を立てやすくなるでしょう。

【固定資産税の計算方法】
建築費の60%×税率1.4%

まとめ

インナーガレージには、大切な車を悪天候などから守り、雨風にあたらずに車と室内を移動できるといったメリットがあります。こうしたメリットを活かすためには、いくつかポイントを押さえて慎重に間取りを検討することが大切です。

間取り設計の選択肢は、坪数によって異なります。本記事で紹介した坪数別の一般的な間取り例や建築実例を参考にした上で、自身のライフスタイルの変化も考慮してプランを検討しましょう。

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