インナーガレージで後悔しない家づくり|成功に導くポイントと注意点を解説

インナーガレージ付き住宅(ガレージハウス)は、毎日の暮らしにワクワク感や快適さをプラスしてくれる住まいです。愛車をいつでも眺められる"マイショールーム"のように楽しんだり、趣味のDIYに没頭できる秘密基地として活用したりと、暮らし方の幅が広がります。さらに、雨の日でも濡れずにスムーズに車の乗り降りができるなど、実用性にも優れているのが魅力です。その一方で、設計する際には気をつけておきたいこともあります。
この記事では、インナーガレージで後悔しないためのコツや、知っておいて損はないメリットを、分かりやすくお伝えしていきます。
目次
インナーガレージの注意点と対策

インナーガレージの設計時に気をつけたいポイントは以下の通りです。
音の影響を考慮する
家の中や近隣住宅への音の響きが気になりにくい間取りや仕様を意識しましょう。寝室をガレージの真上に配置しない、静音タイプのシャッターを選ぶことで、心配を軽減できます。
ただし、車の出し入れの時間帯によっても、適切な間取りが変わります。コストと相談の上、できる範囲で対策を検討しましょう。
将来的なライフプランを考慮して広さを決める
長期的な視点に立ってインナーガレージや間口の広さに余裕を持たせましょう。
現在の車のサイズや台数に合わせて設計しても良いですが、「大きな車に買い替える」「所有する車の台数が増える」ということも考えられます。現在はコンパクトカーを使用しているとしても、家族が増え、ファミリーカーに買い替える可能性もあります。
駐車できる車種や台数に制限が掛からないように、スペースにゆとりを持たせておくと良いでしょう。
また、車の乗り降り、入出庫のしやすさに配慮することで、より快適な空間となります。
車の両側から乗り降りする場合は、車幅+120cm程度の余裕を確保し、奥行きにもゆとりを持たせておくと安心です。前面道路の幅が狭い場合は、切り返しなしで入出庫するために、間口を広めに取っておきましょう。
施工会社選びが、理想のガレージづくりへの一歩
インナーガレージ付き住宅は、ガレージならではの検討事項があるため、施工経験の豊富な会社に相談すると安心です。
例えば、ガレージ部分は防火に関する規定を満たす必要があり、準不燃材料や耐火性能の高い建材の採用が義務付けられているため、材料の選定や施工の進め方について専門知識に基づいた判断が求められます。
経験豊富な施工会社であれば、コストや工期の無駄を省きながら、必要十分な仕様を提案してもらえるため、安心して計画を進めることができます。
インナーガレージ部分の固定資産税を見据えて設計する
仕様によっては固定資産税が抑えられる場合があります。税金も長い暮らしの中で重要な要素になるので、建築会社と相談しながら最適な設計を検討してください。
インナーガレージとの動線を確保する
生活上の利便性を高めるためには、動線を意識すると良いでしょう。玄関ホールなど室内に直結する場所に出入口を設置することで、ガレージとの行き来がしやすくなります。
例えば、食料品などの買い物をするために車を活用することが多い場合は、キッチンとガレージを出入口でつなげるとよいでしょう。
広い土地を確保する
1階にリビング・ダイニングを配置できるほどの土地の広さがあれば、より間取りの自由度を高めることができます。
本来3階建ての住居が2階建てとなり、移動の負担軽減にもつながります。
換気対策を徹底する
ガレージ内に換気扇を設置するなど換気システムを備えることで、天井と壁に囲まれたガレージ内でも排気ガスが充満しにくくなります。特に車のメンテナンス時は、換気扇を作動させましょう。
その他、換気対策には以下の方法が挙げられます。
・窓や換気口を設置して自然換気できるようにする
・通気性のあるシャッターを選ぶ
設置する際は、近隣への影響を考えて、ガスの排出場所を検討することをおすすめします。
予算内なら電動式シャッターがおすすめ
シャッターには電動式と手動式がありますが、予算が許せば、電動式シャッターのほうが快適です。
雨天時も車から降りることなく開閉することができます。また、手動シャッターと比べて開閉音が小さいという特徴があり、近隣への音が気になる場合にも効果的です。
耐震構造を考慮する
耐震・制震構造がしっかりした設計にすることで、万が一の事態にも強いガレージハウスにできます。
建築会社を選ぶ際は、以下のようなポイントを押さえ、耐震性に対して配慮がなされているかどうかを見極めましょう。
・耐力壁の量と配置バランスへの配慮
・柱の直下率(上下階の柱の位置が揃っているかを示す割合)を考慮した間取りづくり
・外観の平面形状に不必要なデコボコをつくらない
・正方形や長方形に近い間取り設計
インナーガレージには多くのメリットがある

素敵な住まいを実現するためには、メリットを最大限に活かしていくことが大切です。
ここでは、以下の5つのメリットについて解説します。
- 土地を有効活用できる
- 車を雨風や紫外線から防ぐことができる
- 防犯性を高めることができる
- 趣味や収納スペースなど多様な活用方法がある
- 雨や雪にあたらず乗り降りできる
土地を有効に使える
建物とは別に駐車場を設置する必要がないことから、土地の有効活用につなげることができます。狭小地の場合であっても、月極駐車場を借りる必要もありません。
その背景には、容積率の緩和措置が関係しています。敷地には容積率の制限が設けられており、制限を超えて建物を建築することはできません。インナーガレージ付き住宅では、基本的にガレージ部分の面積が容積率を算出する際の延床面積に算入されます。
しかし、建築基準法に基づき、床面積に関する一定の緩和措置が適用されると、ガレージ部分の一部または全部の面積が延床面積に算入されなくなります。そのため、都心部など容積率の制限が厳しいエリアであっても、延床面積を確保できる可能性があります。
車を雨風や紫外線から防ぐことができる
車を外に出しっぱなしにしておくと、車が傷みやすくなります。しかし、駐車スペースが壁や屋根に囲われたインナーガレージの場合、雨や風、雪、紫外線などの気象条件の影響を受けにくいため、車体の美観を長く維持することができます。
また、車庫にシャッターや扉を付けることで、飛来物によって車が傷ついたり汚れたりするリスクを軽減でき、車のメンテナンス頻度を減らすことにもつながります。
防犯性を高めることができる
高額な車やバイクを人目のつく場所に駐車していると、盗難やいたずらなどの被害にあうリスクが高まります。一方で、インナーガレージにシャッターを取り付けることで、外部からの侵入を防げます。
趣味や収納スペースなど多様な活用方法がある
インナーガレージは、趣味に没頭したり、アウトドア用品などを収納したり、メンテナンス・DIY、パーティーなどを楽しんだりと、多様な目的に活用できるスペースとなります。
ガレージ内に水栓や排水設備を設置することで、洗車なども簡単に行えます。
電動工具を使ったり、電気自動車(EV)の充電をしたりする場合は、コンセントの数や位置も検討しておきましょう。
雨や雪にあたらず乗り降りできる
乗り降りが屋内でできるので天気の悪い日も快適です。また、車で買い物をしたときも雨や雪に濡れることなく荷物を下ろすことができるでしょう。
インナーガレージ付き住宅を設計する際に押さえておきたいポイント

ここでは、住みやすい暮らしを実現するために、設計時に押さえておきたい以下のポイントについて解説します。
- 居住部分の採光を確保する
- 断熱も考慮する
- 照明設備を検討する
一つずつ解説します。
居住部分の採光を確保する
ガレージを居住部分と隣接させると、窓の数が少なくなります。過ごしやすい住環境を整えるためには、天窓や吹き抜けを採用するなど、採光や風通しを考慮した間取りの設計が重要です。
インナーガレージ付き住宅の場合、構造上、1階にガレージ、2階以上にリビングや寝室を配置するケースが多くなることから、必然的に採光を取り入れやすいとも言われています。
断熱も考慮する
断熱の対策を講じることも欠かせません。インナーガレージは床や壁に使用する材料の性質上、夏は暑く、冬は冷える傾向があります。
特に、ガレージの真上に配置された部屋は寒さが伝わりやすくなります。断熱対策を講じておくことで、光熱費の節約にもつながるでしょう。
照明設備を検討する
ガレージ内に窓を設置していない場合は、シャッターを閉めると昼間でも真っ暗になることがあります。安全に車の出し入れを行うためだけでなく、メンテナンスや趣味スペースなどとして幅広く活用するために、照明設備についての費用も予算に含めておくことをおすすめします。
ガレージの出入り部分の照明は、自動で点灯するタイプのものを設置することで、出し入れの度に点灯させる負担がかかりません。光の明るさを切り替えられる調光タイプの照明を導入することで、照明器具の数を必要最低限に抑えることができるため、経済的です。
インナーガレージ付き住宅で豊かな暮らしを実現した実例5選
インナーガレージといっても、用途や目的によって間取り設計のあり方はさまざまに考えられます。納得のいく形でマイホームを建てるためには、どのような暮らしを実現したいのかを明確にイメージすることが大切です。
最後に、インナーガレージ付き住宅を建てて理想の暮らしを実現した5つの実例を紹介します。
書斎や玄関ホールから愛車を眺められる




【基本情報】
所在地:神奈川県
敷地面積:185.79㎡
延床面積:205.04㎡
施主年代:50代
家族構成:夫婦+お子様2人
こちらは、ご夫婦とお子様の4人で暮らすインナーガレージ付き住宅です。2台分駐車できるガレージがあり、玄関ホールや書斎から愛車を眺めることができます。2階に配置したLDKは、外とゆるやかにつながり、屋根付きのバルコニーが奥行きをもたらしています。
多彩な趣味を満喫できる



【基本情報】
所在地:東京都
敷地面積:480.62㎡
延床面積:847.62㎡
施主年代:60代・30代
家族構成:親世帯 両親+大人1人 / 子世帯 夫婦
親子二世帯が暮らすこちらの住宅には、バイクや自転車を駐車できるインナーガレージがあります。ガレージと収納スペースが出入り口でつながっており、生活動線が確保されています。住宅内にプライベートジムを設けるなど、多彩な趣味を満喫できる暮らしを実現しました。
整備スペースを設けたこだわりのインナーガレージ



【基本情報】
所在地:埼玉県
敷地面積:183.88m²
延床面積:215.81m²
施主年代:50代
家族構成:夫婦
外観をモノトーンでスタイリッシュに仕上げたこちらの住宅には、整備スペースを設けた本格仕様のインナーガレージを設置しました。スペースにゆとりを持たせ、車と共に暮らす生活を楽しめるデザインが魅力です。夜には間接照明が空間に彩りを与え、雰囲気を一新します。
生活スタイルや好みを重視した完全分離型の二世帯住宅



【基本情報】
所在地:東京都
敷地面積:786.94㎡
延床面積:374.34㎡
施主年代:60代
家族構成:夫婦+若夫婦+孫
二世帯が暮らすこちらの住宅では、互いの生活スタイルを重視し、程良い距離感を維持した完全分離型の間取りを実現しました。2台駐車できるインナーガレージを備えており電気自動車(EV)の充電ができる仕様となっています。玄関やLDK、水回りなどの生活スペースを分離し、二世帯の独立性を保ちながらも生活動線を確保している点が特徴です。
ガレージと室内の行き来がしやすく愛車を身近に感じられる



【基本情報】
所在地:東京都
敷地面積:161.56㎡
延床面積:167.02㎡
施主年代:40代
家族構成:夫婦+母
こちらの実例は、車1台分とバイク2台分を駐車できるインナーガレージを備えた、二世帯住宅です。玄関ホールから愛車を眺めることができる設計と、ガレージと室内との移動がしやすいように確保されたスムーズな動線が魅力です。この住宅には、あたたかみのある木調のシアタールームが完備されており、高品質な音響空間で趣味の時間を楽しむことができます。
まとめ
インナーガレージは、構造上、音や排気ガスの影響を受けやすい傾向がありますが、事前に対策を講じておくことで心配を軽減することができます。また、家族構成やライフステージを見据えた設計にしたり、室内との動線確保をしておくことで、柔軟性が高くより便利な空間になるでしょう。土地の有効活用や車体の美観維持などメリットが多数あるインナーガレージは、きっとあなたの暮らしを満足のいくものにしてくれるはずです。
本記事で紹介したポイントを押さえて、理想の住まいを実現させてください。
トヨタホーム東京は、こだわりの詰まったお住まいにいつまでも安全安心に暮らして頂くために、あらゆる世代の皆様のご要望にトヨタ品質でお応えします。自動車の生産現場で培われたトヨタ生産方式を取り入れ、高品質な技術をご提供します。インナーガレージで理想の住まいを実現されたい方は、トヨタホーム東京までお問い合せ下さい。

